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大会第7日目、女子20km競歩が行われました。
先週の男子とはことなり、曇り空の中スタート。
やや涼しい感はありましたが、それでも30℃の中、きついコンディションは変わりません。
さて、他種目で日本勢が振るわない中、あまりメディアに取り上げられない競歩にとっては
大変なアピールチャンスです。
今日、明日と競歩にとっては今後を決める大きな舞台となります。
本来女子は明日の男子とまとめる予定でしたが、ちょうど泊まるホテルの隣が
ネットカフェだったので、本日中にまとめる次第となりました。
女子はスタジアムには入らず、ロードのみで観戦しました。
前回、コースへ向かい際、すったもんだがあった関係で、
あまり余計な神経を使いたくないのが理由です。
なのでトラックの状況はあとで見せてもらったビデオを参考にしております。
参加選手は42名、ただ今シーズン5戦5勝、優勝候補筆頭の
ツロワ(ベラルーシ)は欠場。
前回の覇者イワノワ(ロシア)ら新旧揃ったロシア勢に期待がかかります。
日本からは日本記録保持者でアテネ五輪代表の川崎(海老沢製作所)、
日本選手権優勝の渕瀬(龍谷大)、3度目の出場となる坂倉(登利平AC)の3選手が出場です。
スタート直後、トラックでは川崎選手が先頭に立って周回を重ねます。
競技場を飛び出す前から、22歳のカニシキナ(ロシア)が
先頭でコースにやってきます。
続いて同じくロシアの20歳のシェミキナ。
このあと、3番目にもロシアのシビレワが続き
ロシア3人が早くも飛び出しました。
王者イワノワは早々とリタイヤ、
ちょっと調整が失敗した模様。
続いて川崎、宋(中国)、バスコ(スペイン)らを
先頭に後続集団が周回コースに入りました。
川崎は入賞を狙って積極的なレースです。
快調に先頭を進むカニシキナ。
腕振りがすばらしく、まったく脇が空いていません。
腰の使い方、足の運びが非常に低く回転し、
近くで見ていても、まったく足音がしないんです。
ロシアの技術の高さを垣間見ました。
ロシア勢の後方集団からバスコ(スペイン)が抜け出します。
彼女は2000年シドニー五輪の銅メダリスト。
スペイン伝統の大きな腕振りでロシアを追います。
その後ろの集団。
プレツァー(ノルウェー・105)、フェイトル(ポルトガル・129)ら
ベテラン勢が集団を引っ張ります。
プレツァーはシドニー五輪銀メダリスト、
フェイトルは91年東京大会から出場しています。
その集団の後ろにいたのが川崎選手。
あまり焦らず、落ち着いた動きでした。
100人近い応援団が茨城からやってきてたようです。
日本の坂倉選手(120)。川崎選手と等間隔を保っていましたが
巻き足が高く、早い段階でマークがつきます。
特にヨーロッパの選手と比べると
歩きが目だってしまい、取られていました。
そして渕瀬選手。
決してついていけないスピードではないはずですが
どんどん遅れてしまいます。
龍谷大学の大応援団が後押しします。
2位を進む、シェミャキナ。
彼女もまとまったフォームで進みます。
トップを行く、カニシキナは
5km 22分21秒-10km 44分33秒-15km 1時間6分46秒
すべてトップで通過し、この時点で2位シャミャキナとは56秒差。
シビレワを捕らえ、3位に浮上したバスコ。
粘りが信条の選手です。
前の、シャミキナとの差も詰まってきました。
日本の坂倉選手は13km過ぎで失格となりました。
さらに、サビール(オーストラリア・114)も失格。
さらにアテネ五輪金メダルのツメレカ(ギリシャ・134)も
途中棄権したため
アテネ五輪のメダリスト(ツメレカ、イワノワ、サビール)たちは
ゴールすることなく全滅しました。
なんとか頑張る渕瀬選手。
しかし世界の壁は厚く、すでに10分近く遅れました。
さあ日本の川崎選手、15kmを9位で通過し10位で残り1周となりました。
8位集団とは80mの差、しかも最初3位を進んでいた
シビレワ(ロシア)が落ちてきていたため、
さらに前の選手にも2つついた選手もいたため
もう一分張りで入賞のチャンスがあります。
スタート時は曇り空、途中強い雨が降ったり、日が照ったりと
悪条件の中、カニシキナはずっと先頭を譲ることなく
トップでスタジアムに入りました。
さすがにラストはバテテしまったようで、動きがスローダウンしていました。
前半の貯金が功を奏して、1時間30分09秒のタイムで
ロシア勢の連覇を飾りました。先にも書いたとおり、22歳にして
大変完成された技術をもっています。
続いて2位をキープし続けたシェミャキナ。
しかしすぐ後ろにバスコが迫っています。
続いて3位のバスコ。
最後はシャミャキナに5秒差、カニスキナにも38秒差に迫る・
さすがは五輪で2大会連続入賞を果たした実力者。
シドニー五輪以来の銅メダル獲得です。
そして結局前方に追いつけず10位で戻っていく川崎選手。
8位とは12秒差の惜しい結果となりました。
しかし、97年大会・三森由佳選手の14位を上回る
日本人最高順位となりました。
近年男子に比べるとちょっと見劣りしていた女子競歩陣が
今後に大きな期待を寄せる結果となりました。
トップから遅れること11分。
27位で戻ってきた渕瀬選手。
日本人初の1時間30分突破したまだ20歳。
レース後は、関係者に挨拶しながら涙を流していましたが
3人の中では安定したフォームでした。
これからが楽しみな選手です。
渕瀬選手は危なく競技場に入れないところでした。
世界大会ながら関門があり、1時間40分でスタジアム入り口が閉められてしまいました。
一応、時間が過ぎても競技場に入れたようですが
最後のボリビアの選手だけは競技場に入れず、セカンドフィニッシュという形で
ロード上でゴールとなりました。
これはマラソンでもあり、男子の久保田選手は外でゴールしたと聞いています。
女子20km結果はこちら
ロシア勢の強さが目立ったレースとなりました。
先にも書いたとおり、ロシアの技術の高さには驚かされました。
かつてはスタンキナという18歳で優勝した選手も大変動きが柔らない選手でした。
その柔らかさと安定性をもった今回のカニシキナ。
これからもソ連時代からの伝統を受け継いでいくことになりそうです。
さて、明日は男子の50km。
明日も天気が悪いようですが、男子20kmに比べたら少しは歩きやすいかもしれません。
前回8位入賞山崎選手をはじめ3選手には上位を果たしてもらいたいところです。
ここでメダルでも取るようならヒーロー間違いなしです
男子50kmは朝6時45分から地上波で放送されます。
また女子20kmも実は朝9時55分からの放送の中で、中継がありました。
16年ぶりに中継となった競歩です。
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国際大会、歴史などさまざまな話題を時には楽しく、時には辛口に週一ペースで書いていく予定です。
内容は私個人の見解を書いています。
日本競歩界の見解ではありません。