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競歩の話題・歴史など書きました
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 昨日からスタートした第11回世界陸上競技選手権大阪大会。
本日2日目、朝8時から男子20競歩が行われました。
さっそくレポートを書きたいと思います。

 とにかく暑かったです。
スタート時で気温31℃。見ている側もきついのに
選手はもっと過酷だったことでしょう。
実際、ゴール後、ゴールを前にバタバタと倒れる選手が続出し、
目の前で担架で運ばれていく選手もいたり
20kmといえ壮絶なレースとなりました。

その他、今後の審判の有り方に関する問題もでてきました。
 


 先に観戦アドバイスといたしまして、
特にほかの種目で見たい種目がなければ、チケットは買わず
直接コースへ行かれた方がよいと思います。
スタジアムから移動となると、北ゲートを出て遠回りする羽目になりました。
南ゲートのすぐそばがコースなのですが、逆に出口がなくて困りました。
なので、コースにいるだけでも十分な観戦ができますので
無理にスタジアムに入らなくてもいいと思います。

P8260004.JPG 朝7時、まだ会場もまばらです。
それでも今日は朝6時半から開門でした。







P8260005.JPG これがスタジアム側の折り返し地点です。
片道1km、往復2kmの周回コースを8周します。
基本的に無料で観戦できますが、ところどころ通行できないエリアがあります。





P8260012.JPG スタート前のペレス(エクアドル)。
オーロラビジョンは綺麗でした。






P8260013.JPG そのライバル・フェルナンデス(スペイン)
世界選手権・オリンピックでは2003年から連続2位。
ここで雪辱なるか?





P8260015.JPG 8時スタート。
暑いこともあって1km4分28秒のスローペースで始まりました。
お互い前様子見なのか早くもペレス(108)が先頭に立ちました。
右は昨年のアジア大会優勝の韓玉成(中国)。
トラックを4周半してロードに出て行きます。




P8260016.JPG 先頭近くに位置した杉本選手。
その他、森岡選手、谷井選手3人とも
前回ヘルシンキ大会に続く代表です。
入賞の期待がかかります。





P1010023.JPG 1周目。日本の杉本選手が積極的に先頭を引っ張ります。
ペレス(108)、ブルネッティ(イタリア・110)。
ここから徐々にペースが上がって
5kmの通過は21分中盤でした。





P1010024.JPG コース沿いはこのようになっています。
我々が観戦できる、エリアは歩道よりさらに奥で
ちょっと選手から遠くなっています。
なんか、マラソンと違ってさびしい気がしました。





P1010032.JPG 5kmを過ぎて、アテネ五輪金メダリスト
ブルネッティ(イタリア)が抜け出しました。
スローペースを嫌ってか、どんどんペースアップしていきます。






P1010033.JPG ブルネッティを追う、2位集団。
フェルナンデス、ペレスが先頭。
日本の3選手も集団の前のほうで攻めます。






P1010029.JPG ダニエル・ガルシア(メキシコ・121)。
97年の世界チャンピオンで翌年には
4月の輪島で世界の歩きを見せてくれたガルシアでしたが
序盤から精細を欠き、結局失格に終わります。





P1010035.JPG アジア大会の覇者で
昨年のワールドカップではフェルナンデス、ペレスについで
3位となった中国の韓も精細を欠きました(29位)






P1010030.JPG 順調にペースを刻むブルネッティでしたが
一人で審判の目を引いてしまったせいか
10km手前で2つマークがついてしまいました。
元50km選手とあって安定した動きが持ち味ですが
今大会は審判との相性が悪かったようです。

 ブルネッティ先頭で10km42分14秒で通過しました。


P1010031.JPG ペレスやフェルナンデス、ギュラ(チュニジア・111)、
ヘファーナン(アイルランド・118)らがペースを上げて
ブルネッティを追い上げます。

最大で33℃まであがった暑さ。シャワーエリアもコース上にはありますが
水被ってないと危険な状態でした。



P1010046.JPG 14km過ぎついにペレスが追いつきました。
気落ちしたのかブルネッティ、このあと後方から
ギュラ、フェルナンデスらも合流を許し、
折り返し直後失格となりました。





P1010055.JPG 失格直後のブルネッティ。
99年セビリア大会で50kmを制して(1位の選手がドーピングで失格)以来
安定したフォームの印象がありましたが
ロスオブコンタクト、最後はベントニーで失格となったようです。
イタリアはダミラノが2勝、ディドーニが1勝と20kmで3勝しています。





 15kmからは暑さが堪えたか、ロシアのボロシンが突然昏倒し
そのまま担架で運ばれていきました。
彼は前の周は先頭集団にいたのに、次の周は担架という異様な光景でした。


P1010048.JPG やや先頭から遅れた森岡選手でしたが
16kmの時点で8位をキープ
後方はロシアのエロキンでしたが結局失格。
ロシア勢はベテランのマルコフ(99年優勝者)が
9位に入るのがやっとという崩壊状態。

 これは50kmでも考えられることかもしれません。
日本勢にとってもロシアの不調は頭の隅に入れておくとよいでしょう。


P1010043.JPG 谷井選手。この時点でバテテしまい。
最終的に杉本選手にも抜かれます。
アテネ五輪で見せた粘りが今回見られませんでした。

オリンピックで見られる海外諸国の応援団がほとんどない中、
おそらく彼の応援団が一番の応援団だったでしょう。





P1010044.JPG 日本選手の中で、最初に遅れたのが杉本選手。
がんばってこらえていましたが、伸びませんでした。
最後スタジアム入り口手前で谷井選手をかわし
日本人2位でゴールしました。






P1010051.JPG 残り3kmを過ぎてチュニジアのギュラが仕掛け
フェルナンデスが遅れました。
ギュラは昨年のワールドカップ4位に入り、
アフリカ出身とあって私もメダル候補に上げていました。
ペレスと並んで非常に余裕のある動きをしていました。

 この後残り1周のところでペレスがスパート。
ここからはペレスの一人舞台。
ペレスは腕振りを一点で振り、それが高速ピッチを生み出しています。
それで、1km7分台になってもロスオブコンタクトを防いでいるのです。

P1010061.JPG そして見つけました。
ちょっと横顔になりますが、
オリンピック50km競歩3連覇を成し遂げた
ポーランドの英雄ロベルト・コジョニョフスキーです。
遅れたフェルナンデスのコーチも務め、
自国ポーランドの選手に劇を飛ばしておりました。

 日本に来日するのは91年東京大会以来。
彼にとって実は東京が世界大会デビューだったのです。

79c74f9d.JPG 先頭でトラックに戻ってきたペレス。
遠くから見ても”歩いて”いるのがわかります







P1010069.JPG
ゴール直後、両足がつってしまい担架で運ばれるという
衝撃的なシーンがテレビで映し出されました。

 男子20km競歩3回目の優勝は史上最多となります。
これまではペレスとダミラノ(イタリア)の2度(両者とも連覇)が最高でした。



P1010068.JPG 34歳の大ベテランギュラ。
 このあと後ろからフェルナンデスにかわされましたが銅メダル。
世界陸上は93年(放送では95年と言ってましたが93年が正しい)から
8回連続で出場して、チュニジア史上初のメダルをもたらせました。





P1010070.JPG 3位を進んでいたフェルナンデス。
ペレスの牙城は崩せず今大会も敗れる。
このあと、ギュラを猛然とかわして2位でフィニッシュします。

 ところが、これまで1個もついていなかった彼ですが
スパートの歩形が取られゴール後
世界大会等で許される、主任審判の一発失格となりました。

しかし、このあと、スペインチームから正式な抗議が上訴委員会に出され
P1010077.JPG協議の結果、フェルナンデスの抗議が認められ失格の取り消し、2位に復権となりました。
このジャッジが覆った事態、ある意味審判員にとっては屈辱的なことだと思います。
今後の、審判運営に影響が出そうな事例となりそうです。





P1010071.JPG 日本人トップの11位で戻ってきた森岡選手。
ラスト1週で足がつってしまい、
そのあと何人かの選手にかわされ残念ながら入賞はなりませんでした。
しかし、この暑さの中での結果として、今後に期待を持ちたいと思います。





P1010074.JPG 19位でフィニッシュの杉本選手








P1010075.JPG 21位でフィニッシュした谷井選手。








fd1721a2.JPG さてこのレース、バタバタと倒れる選手が続出しました。
その一人、ドイツのヘーネ。
彼は残り1周の時点で、4位を進んでいました。
ところがスタジアム直前からふらふらになり、
スタジアムに入るところを間違えてまっすぐ進んでしまうほど意識朦朧。

 2人に抜かれて6位で戻ってきましたが、第3コーナー残り200mのところで
昏倒。そのままリタイヤとなってしまいました。
このシーンはテレビカメラが気づかず誰も知らない光景なのですが
私には衝撃的でした。
このように、スタート時から30℃を超え、さらに多湿の大阪。
知り合いと話しながら来週の50kmは死人が出るんじゃないか?的な心配もあります。


 競歩の過酷さがはっきり来週の50kmでお茶の間の皆さんに見てもらえるかもしれません。
気になるのは、来週6:45分~11時ごろまで地上波ですが
つまり最大でも4時間までしか見れないことになります。
一歩間違えばトップの選手のゴールも微妙・・・・・それはないと思いますが
あまり選手が移らないかもしれません。


 男子20km結果はこちらです。


 今回試験的にこのようにレポートいたしましたが
さすがに時間がかかりすぎました。
来週の女子20km、男子50kmはもうちょっと抑えるつもりです。
さすがに疲れてしまいました。

 なお、PCは持っていかないので女子20km、男子50kmまとめて土日で作成いたします。
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お疲れ様です。
私は衛星テレビ中継も、地上波のニュースも見ていなかったので、写真をふんだんにつかった今日のブログはとても分かりやすくてよかったです。来週は私も50㎞を観戦に行きます。
競歩ファン 2007/08/27(Mon)22:20: 編集
無題
>>競歩ファンさん
ありがとうございます。多くの方が中継を見ることができなかったと思われます。貴重な場としてより詳細さを求めて書きました。

ただ、まとめるのに2時間近くかかってしまいました。
今週の2レースは少し抑えるかもしれません
rawk 2007/08/28(Tue)01:21: 編集
20km競歩ハイライト
こんにちは。
20km競歩、ハイライト配信しましたので、
よかったら見てくださいね♪♪
http://dogatch.jp/special/seriku/
タテコ URL 2007/08/29(Wed)16:11: 編集
Re20km競歩ハイライト
>>タテコ さん
はじめまして、情報ありがとうございます。
私はBS-Iで録画はしていましがた、おそらく多くの方は映像を見る機会がないと思います。
貴重な情報ありがとうございました。
もし可能であれば、他の2種目(女子20km、男子50km)もお願いおねがいできないでしょうか。
16年ぶりに競歩が生中継されるので、高校生やジュニアの選手の教科書になってもらいたいと思っております
rawk 2007/08/30(Thu)03:04: 編集
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rawk
性別:
男性
職業:
IT業
趣味:
競歩
自己紹介:
競技暦11年

国際大会、歴史などさまざまな話題を時には楽しく、時には辛口に週一ペースで書いていく予定です。

内容は私個人の見解を書いています。

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