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競歩の話題・歴史など書きました
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 50km競歩3時間台。今では日本でも当たり前のようになっているタイム。
世界記録は3時間35分台まで到達し、競歩の場合、初めから最後まで
動きが変わらないことから、今後さらにタイム短縮が期待される。

 今から30数年前、3時間台は夢のタイムとされていた。
さらには人類が3時間台で歩けるわけが無いという
根拠の無い常識まで流れていたほどだった。

 そんな壁を突破し、1972年ミュンヘン五輪50km金メダルに輝いた
ベルント・カンネンベルク(西独)にスポットを当てる。

 先にも書いたとおり、一昔前は競歩の専門家でも
3時間台は到底無理という思い込みがあったという。
しかし競歩の技術は常に進化し、
1964年の東京五輪では4時間10分台のタイムが出て、
1965年10月17日、ソ連のアルマータで行なわれた大会で
ソ連のアガポフによって3時間台がマークされた。

 タイム出たものの、その後まったくタイムが更新どころか
近づく選手もおらず、この記録を疑問視する声も多かったのも
こういった思い込みを産んだのかもしれない。


 そして、1972年5月27日、7年ぶりにその快挙が訪れた。

 その日、西ドイツの都市ブレーメンで行なわれた英独対抗競歩50kmで
一人の選手がとてつもないラップタイムで1人先行していた。
西独のベルント・カンネンベルク。
そのままトップでゴールしたタイムは・・・・・3時間52分44秒6!
それまでの世界記録を大幅に更新。
このニュースは世界中に衝撃を与え、イギリスなど各国では
何かの間違いではないか?信用できない、など議論のまととなった。

 そして周回コースを2回にわたって計測車による測定が行なわれ、
周回資料などかなり厳しい調査が行なわれたが
まったく狂いがなかったことが証明され
晴れてこの大記録は世界中を駆け巡ることとなった。

 一気にミュンヘン五輪の優勝候補として注目を集めることとなった。
カンネンベルグは当時30歳、選手として一番油に乗っている年齢である


 そして地元西ドイツで開催のミュンヘン五輪。
まずカンネンベルクは8月31日の20kmに出場。
快調に先頭集団をキープしていたが、
13km地点で突然足の痛みを訴え途中棄権。
地元ファンを心配させた。

 4日後の男子50kmにカンネンベルクは元気な姿でスタートラインに立った。
ちなみにこの大会の競歩コースに使われたのは
ミュンヘン郊外の観光名所としても名高く、旅行パンフレットでも表紙を飾ることの多い、
ノイシュバンシュタイン城」周辺を周るという大変贅沢な周回コースで行なわれた。

 スタート直後から、カンネンベルクと前年3時間台をマークしていた
ソルダテンコ(ソ連)の一騎打ち、35kmまでのラップを全て2人で刻んだ。
そこからカンネンベルクがペースを上げると、そのままトップを独歩。
軽快な足取りで、それまでの五輪記録を15分近く更新する
3時間56分11秒6の大記録で、地元西ドイツに嬉しい金メダルをもたらせた。
5月の記録がフロッグでないことを証明した。
2位ソルダテンコも3時間58分25秒0と彼も3時間台をマークした。

 カンネンベルクは翌1976年モントリオール五輪が最後と五輪となった。

 カンネンベルクが火をつけたように、ここから一気にタイムが伸びていく。
ちょうどこの時期に、ルールの解釈が変更になったのも拍車をかけた。

 現在の世界記録は3時間35分47秒、オーストラリアのディークスが
昨年マークしたタイムだ(2004年にロシアのニジェゴロドフが3時間35分29秒を
マークしたが国際審判員の不足を理由に参考記録扱いとされている)。

50km競歩世界記録更新履歴(ディークスの記録は加算されていない)
http://www.sporting-heroes.net/athletics-heroes/stats_athletics/worldrecords/50wlk_m.asp


 日本では、87年ローマ世界陸上で園原健弘選手が4時間00分11秒と
非常に惜しいタイムをマーク。その11秒を更新に4年を要し、
91年に今村文男選手によって4時間が突破された(3時間59分18秒)。
日本でもその突破が火をつけたように、すぐさま小坂忠広選手、
園原選手によって翌年92年には3時間56分台まで引き上げられた。

 そのあとは今村選手が実に6度も記録を更新し、98年3時間49分台に入った。
そこからは2003年に谷井孝行選手が3時間47分台の更新のあと、
昨年の輪島で山崎勇喜選手が3時間43分台に入った。
日本も過去に3度(20kmも含めると4度)、世界陸上入賞の経験がある。
順位だけでなくタイムでも徐々に世界上位に近づいている。
カンネンベルクから35年、大阪向けて日本勢がどう出るか非常に興味深い。

 なおカンネンベルク氏は現在64歳、ドイツで健在である。
http://www.ndr.de/paris2003/disziplinen/50km_gehen/geschichte.html



参考資料:陸上競技マガジン「競歩のオリンピック史」
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IT業
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競歩
自己紹介:
競技暦11年

国際大会、歴史などさまざまな話題を時には楽しく、時には辛口に週一ペースで書いていく予定です。

内容は私個人の見解を書いています。

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